今や「新・三種の神器」とも呼ばれる白物家電の1つが食洗機。
(あと2つはドラム式洗濯機とロボット掃除機だとか)
新築の際にはビルトインタイプを導入する人も多いですよね。
国内メーカーではPanasonic、三菱、Rinnaiなどが有名です。
一方で、Instagramなどを中心に人気が高いのがミーレに代表される海外製のビルトイン食洗機。
最近では公式に海外製食洗機を採用可能なシステムキッチンメーカーも増え、より採用しやすくなっています。
採用しやすくなってきたはずの海外製食洗機ですが、Panasonicキッチン「ラクシーナ」では採用が難しいとされています。
これは本当なのか?!
Panasonicとミーレのショールームでお話を聞いてきましたので、まとめてみたいと思います!
最後には、Panasonic深型食洗機を搭載したラクシーナを使って2年以上が経過したわが家が、リフォームでミーレを採用する可能性にも触れています。
ぜひ、最後までご覧ください!
ミーレビルトイン食洗機について
ミーレとは
Miele(ミーレ)は1899年創業のドイツの家電ブランド。
1992年には日本法人ミーレ・ジャパンが設立されています。
すでに日本法人に30年以上の歴史があり、保証やアフターサポートの心配は不要です。
ミーレ・ジャパンで取り扱っているのは、食器洗い機(食洗機)以外にも
- 洗濯機・乾燥機
- 掃除機
- IHクッキングヒーター
- オーブン
- 冷凍冷蔵庫
- ビルトインコーヒーマシン
など様々。
今回はもちろん、ビルトイン食洗機のお話だよ!
「ミーレの食洗機ってどこがどういいの?!」という方のために、まずは種類や機能を簡単にまとめてみます。
サイズは45㎝タイプと60㎝タイプの2種類
ミーレのビルトイン食洗機のサイズは、幅45㎝と60㎝の2種類。
さらにドア面材や機能の違いで数種類の機種がラインナップされています。
国内メーカーの主流は45㎝!
ミーレのショールームでお話を聞いた限りでは、ミーレではスタンダードが60㎝タイプ、スリムな45㎝タイプもありますよ、といった感じ。
明らかに60㎝推しでした。
45㎝タイプは、ドアを開けた際に庫内にLEDライトが点くかなどの違いがある、2機種。
60㎝タイプは機能の異なる複数種類がラインナップされています。
ミーレ食洗機の特徴や主な機能
ミーレ食洗機の主な特徴は以下の通り。
- 圧倒的な大容量(60㎝)
- 日本の食器にも配慮されたバスケット
- 乾燥機能の代わりに実装されているオートオープン機能
- ディスプレイは日本語にも対応
- 世界初!洗剤自動投入を搭載
- アプリ操作で宅外操作&スケジューリング可能
圧倒的な大容量
ミーレの洗浄容量は以下の通りです。
幅45㎝ | 幅60㎝ | |
洗浄容量 (JEMA規格) | 7人分 (51点) | 16人分 (72点) |
国内メーカーのビルトイン食洗機は、45㎝のスライドオープン(引き出し式)が主流!
ラクシーナで採用することの多いPanasonicの深型の洗浄容量は6人分(48点)だよ!
実際にPanasonic深型食洗機を使っている私からすると、
6人分とか嘘!
絶対に入らないよ
というのが感想。
一方、ミーレ60㎝はPanasonic深型食洗機の2.6倍以上の洗浄容量。
5人家族のわが家にはとても魅力的です。
容量が大きくなっても、
使用電力量はミーレ45㎝タイプとほぼ同じ、
使用水量は500ml程度の差
なんだとか。
え!すごい!
それなら断然60㎝が良いね!
ただし1つ気になるのは、洗浄容量が大きい分「食洗機は1日分の食器をまとめて夜に1回稼働」という使い方になることへの懸念。
- 朝の食器を夜まで食洗機の中に入れておくのは夏場などは不衛生では?
- 1日の食事(2~3食分)それぞれで使えるだけの食器の量が必要になるのは大変では?
といったポイントを、実際にミーレショールームのスタッフの方に聞いてみました。
高温モードなどでしっかり洗っていただくと朝使った食器もしっかり綺麗になるため、衛生面でも問題ありません!
例えば朝納豆を食べてそのまま食洗機の中に入れて夜洗っても、しっかり汚れが落ちますよ!
確かに食器の量が増えてしまう、というのはあると思います。
その分の収納場所などは考慮していただく必要がありますね。
といった説明でした!
日本の食器にも配慮されたバスケット
ミーレのバスケットは3段構成。
上段はお箸などのカトラリーを入れられるトレイ。
中段に高さのあるものを入れてもぶつからないよう、横にスライド出来るようになっています。
中段はお茶碗など深さのある食器を入れられるよう、固定されたピンの間隔が広めにつくられています。
Panasonicの深型食洗機も意外とこのピンの間隔が狭くて、深さのある食器は入れにくかったりするよね
また、このバスケットは3段階で高さ調節可能。
下段に入れるものによってぶつからないよう調節できる工夫がされています。
下段には大きなお皿、鍋やフライパンなどがスッポリ。
機種によってワイングラスを掛けられるホルダーも付属します。
これだけ細かく考えられていると、しっかり食器が並べられそう!
乾燥機能の代わりに実装されているオートオープン機能
国内メーカーの食洗機には乾燥機能がありますが、海外製にはありません。
ミーレ食洗機は食器洗浄後、自動的にドアが少し開いて庫内の水分を蒸発させることで食器を乾燥させます。
以前は上位機種にしかなかったこのオートオープン機能。
現在では全ての機種に実装されているそうです。
ディスプレイは日本語にも対応
ドイツ製のミーレ食洗機ですが、操作ディスプレイは多言語に対応。
もちろん日本語も選択できます。
別メーカーの海外製食洗機には、日本語に対応していないものもあるそうですよ!
ミーレは日本語対応なのは嬉しいですね!
世界初!洗剤自動投入を搭載
扉の裏に専用のディスク型洗剤をセットすることで、選択したコースごとの最適な洗剤量を自動で投入してくれる機能も。
1つのディスクで約20回分とのことでした。
現在はPanasonicの食洗機でも洗剤の自動投入機能が付いたものが出ているけど、ミーレが最初だったんだ!
デメリットは、専用洗剤でなければだめだということ。
ユーザーとしては専用品はどうしても割高になるため市販品にも対応してもらえると嬉しいですが…難しそうですね。
アプリ操作で宅外操作&スケジューリング可能
先ほどの洗剤自動投入機能と合わて、専用アプリで自宅にいなくても食洗機をスタートさせたり洗浄が終わっているかどうかの確認が可能。
曜日ごとに開始時間をスケジューリングしておくこともできます。
基本的には私は
食洗機をわざわざ外から操作する必要ないんじゃない?
と思っている派。
けれど、スケジューリング機能はとても便利そうだと感じました。
毎日、22時に洗浄開始するようにスケジュールをセット!
遅く帰ってきた家族も、「食べ終わった食器は食洗機に入れる」という約束にします。
22時になると食洗機の洗浄開始!
食事の時間がバラバラでも、翌朝に汚れた食器が残っていることがなくなります!
子どもたちが大きくなって食事時間がバラバラになった時のことを考えると、とても便利そう!
国内メーカーのビルトイン食洗機との違い
国内メーカーのビルトイン食洗機との主な違いは以下のポイント。
- 容量(サイズ)
- 洗浄力
- 乾燥機能
- 庫内のつくり
- 配管の位置
- 使用する電圧(200V)
- 価格
容量(サイズ)
これはは先ほども記載した通りです。
ミーレのスタンダードにあたる60㎝タイプは、国内メーカーの製品の2.6倍以上です。
洗浄力
洗浄力に関わるのが、水を噴射するノズル。
国内メーカーの食洗機は下から水を噴射するシステムが多いところ、ミーレは上・下・中段(上下に噴射)と合計4か所から水を噴射。
そのため洗浄力が高く、余洗いいらずとされています。
乾燥機能
こちらも先ほど触れましたが、国内メーカーの食洗機は乾燥機能あり、海外製食洗機には乾燥機能はありません。
海外製はほとんどが洗浄時の余熱で乾燥させる方式。
ミーレではオートオープン機能により、余熱乾燥を効率的に行います。
「食器によっては全く乾かない」なんて口コミを聞くことも!
環境に配慮しての余熱乾燥方式だそうですが、さすがに国内メーカーのヒーター式乾燥の方が乾きは良いのかもしれません
庫内のつくり
庫内のつくりは、ミーレは耐久性の高いオールステンレス製。
国内メーカーの食洗機は、スライドオープン(引き出し式)かフロントオープン(国産で唯一のフロントオープン食洗機はRinnai製)かに関わらず、庫内は樹脂製です。
一般的には海外製の方が耐用年数が長いとされているのは、こういった点からかもしれません。
配管の位置
配管の位置も、全く異なります。
Panasonic食洗機は下図のように台の上に食洗機を載せ、配管を後ろから通します。
(そのため食洗機下部が収納に出来る)
一方で、ミーレの食洗機は食洗機本体を直接床に置き、横に配管を通します。
使用する電圧
使用する電圧は、国内メーカーの食洗機は100V電源、ミーレをはじめとする海外製食洗機では200V電源を使用します。
これは大きな違い!
システムキッチンメーカーは標準的に100V電源の仕様!
価格
価格にも大きな差が。
一例としてPanasonicの深型食洗機は、最上位モデルで35万円程度。
ミーレ食洗機は45㎝タイプで36万円台~45万円台、60㎝タイプでは37万円台~85万円台となっています。
※いずれも税込み。2023.7現在の価格
「海外製は高い」と聞いてはいたけど…本当に高い!
ミーレの食洗機を取り付けるための条件とは
ミーレの食洗機を取り付けるための条件は2つ。
1つは先ほど説明した通り、①200V電源があること。
そしてもう1つは、②キッチンの高さが85㎝以上であること、です。
多くのシステムキッチンメーカーでは、キッチンの高さを80㎝、85㎝、90㎝で対応しています。
ミーレの食洗機本体の高さは80㎝以上。
そのため、80㎝のキッチンには入れられず、85㎝または90㎝を選ぶ必要があります。
ミーレの食洗機に対応している主要キッチンメーカー
ミーレは、主要システムキッチンメーカーとの提携が多い海外製食洗機メーカーです。
正式にカタログに記載され、ミーレに対応しているシステムキッチンは
- LIXIL/リシェルSI
- LIXIL/ノクト
- クリナップ/セントロ
- クリナップ/ステディア
- トクラス/コラージア
カタログには記載がありませんが、対応可能なシステムキッチンは
- Panasonic/Lクラス
- TOTO/ザ・クラッソ
- TOTO/ミッテ
です。
(2023年7月現在)
海外製食洗機の需要が高まっていることから、取り扱いのメーカーは増えています。
でもやっぱりラクシーナは入ってないよね…
Panasonicラクシーナにミーレの食洗機は取り付けられるのか
前置きが長くなりましたが、いよいよ本題。
Panasonic公式としてはラクシーナにミーレ食洗機の取り扱いはなく、「海外製食洗機を入れたければ上位グレードのLクラスキッチンに!」というのが定説ですが…
Panasonicキッチン「ラクシーナ」にミーレの食洗機は本当に取り付けられないのか。
答えは…
(条件付きで)出来る!
実際には、Panasonicショールームで「ラクシーナにミーレの食洗機をつけたい」と言うと、「出来ない」と言われます。
けれど、方法がないわけではないということ。
条件を満たせばつけることは可能です!
ラクシーナにミーレの食洗機を取り付ける方法
ラクシーナにミーレの食洗機を取り付ける場合、必要なのは
- 200V電源の確保
- 食洗機本体&配管スペースの確保
という2点。
この2つに対応してくれる施工業者が見つかれば、取り付けられるということ!
これは、ラクシーナだけでなく全てのキッチンで一緒だそうですよ!
具体的には、
- (新築の場合は)建築先の会社
- ショールームをはじめとしたミーレの正規取扱店
に相談&依頼することで、取り付けてもらえる可能性があります!
私が話を聞いたミーレショールームでは、食洗機横の収納を加工してスペースを広げることで、60㎝のミーレ食洗機を取り付けることも可能だと言っていました。
(お話を聞いたミーレショールームの方も、実際にそういった事例を沢山担当しているそうです)
ラクシーナにミーレの食洗機を取り付ける際のデメリット
上記の方法でラクシーナにミーレの食洗機の取り付けを依頼出来たとしても、デメリットもあります。
それは
- 見た目(収まり)
- キッチン本体の保証
です。
ラクシーナに通常通りPanasonicの食洗機を付ける場合、食洗機部分もキッチン本体と扉柄を合わせるのが一般的です。
また、Panasonicの食洗機用に合わせて周囲の収納もサイズが決められており、見た目はきれいに収められています。
横の収納と高さが揃っているのがわかります!
けれど、ミーレの食洗機を入れる場合、扉柄が揃わない、収まりが悪い、といったことが生じる場合も。
このデメリットはしっかり把握しておきたいです。
参考事例は以下です!
ぜひ確認してみてください
さらに大きなデメリットとして、キッチン本体のメーカー保証が利かない場合があるということがあります。
ラクシーナでは通常2年のメーカー初期保証がありますが、電圧や配管位置を変更することで保証対象外になってしまうとか。
これは十分に検討して、納得した上で依頼しないとだめですね
ラクシーナを使って2年経過したわが家の場合【リフォーム】
ということで、Panasonicキッチン「ラクシーナ」に海外製のミーレの食洗機が入れられるかどうかについてまとめてきました。
正直、現在使用しているPanasonic深型食洗機には不満タラタラの私。
調べれば調べるほど、海外製食洗機への憧れが増しています。
そこで!
わが家のラクシーナにリフォームでミーレの食洗機を入れる場合どうなるのかも、ミーレショールームで聞いてみました!
わが家のラクシーナにミーレの食洗機を入れる場合の施工
わが家のキッチンは、90㎝なので高さの問題は特にありません。
やらなければいけないのは、スペースの確保です。
基本的には、
- ミーレ45㎝を入れる場合:既存のPanasonic深型食洗機とそのまま入れ替え
- ミーレ60㎝を入れる場合:横の収納をカットしてスペースを広げる
となるそうです。
食洗機横の収納が引き出しの場合、面材や収納自体をそのままカットすることになるそう。
わが家の場合は横の引き出しは30㎝なので、半分の15㎝分以上がミーレの食洗機スペースとして割かれることに。
ちなみに、開き収納の場合の方が施工はやや大変だそうです。
もちろん現場を見なければ確かな判断は出来ないとのことでしたが、配管位置も変更になるためミーレ45㎝を入れるとしても食洗機スペースをそのまま入れ替えるだけでOK!とはならないこともあるのだそう。
ミーレの食洗機へのリフォームにかかる費用は?
気になるのは、お値段。
ミーレショールームの方のお話では、ミーレの食洗機本体はどこでも一律価格に設定されているとのこと。
そのため、差が出てくるのは施工費。
ミーレショールームに依頼する場合、
- 100Vから200Vへの変更工事
- 配管の変更工事
- 周辺収納の加工
- ミーレ食洗機の設置
- 既存の食洗機の引き取り
などをすべて含めて
施工費はたいていの場合
8~10万円程度になりますね!
とのことでした。
ミーレ食洗機本体の価格は、2023年7月現在で45㎝タイプで36万円台~45万円台、60㎝タイプでは37万円台~85万円台となっているため、
45㎝タイプで50万円前後
60㎝タイプで50万弱~、最大95万円程度
となることに。
60㎝のスタンダードなタイプで50万円前後、45㎝タイプでも50万円前後かかるとすると、やっぱり60㎝タイプにしたくなる!
でもさすがに、100万円近くは高すぎる!
検討するならやっぱり50万円程度のベーシックなタイプになっちゃうかな
【デメリット】見た目(収まり)とキッチンの保証の問題はどうする?
ラクシーナにミーレの食洗機を入れる場合のデメリットは、①見た目(収まり)と②キッチン本体の保証。
実はわが家の場合、ラクシーナを使ってすでに2年以上経過しているため初期保証期間が終わっています。
そのため、何があっても自己責任。
保証面のデメリットは気にする必要はありません。
もう1つのデメリット、見た目(収まり)の問題は、人によってどこまで気にするかは違いがありそうですが
もちろん、出来るだけきれいに収めてもらいたいな!
と個人的には思います。
その場合、わが家の場合は普段からミーレ食洗機の施工に慣れていないPanasonicリフォームにお願いするよりも、直営店のミーレショールームにお願いする方が安心感はあるな、と感じます。
(ま、結局は値段にもよるんですけど)
ただし、ミーレショールームは2023年現在全国5か所。
(目黒、表参道、日比谷、大阪、神戸)
それぞれのショールームで請け負えるエリアが決まっているそうなので、事前に確認が必要です!
地域によってショールームのエリア外の場合もあると思いますが、各地方に正規の販売ショップがありますので、そちらを調べてみてください!
おわりに
Panasonicキッチン「ラクシーナ」にミーレの食洗機を付けられるかどうかについてまとめました。
- Panasonicキッチン公式としては対応不可(上位グレードのLクラスへ誘導される)
- 建築先の会社やミーレ正規販売店に依頼することで、ラクシーナにミーレを入れること自体は可能
現在のところ、これが結論です。
「ラクシーナにミーレを入れたい!」
という方は、ぜひ参考にしてみてください✨
ラクシーナを2年以上使ってすでに初期保証からは外れているわが家のリフォーム問題。
気持ち的にはかなり前のめりなのですが、やはり価格と現在のPanasonic食洗機を2年しか使っていないというところがネックです。
今の食洗機が壊れた時に入れ替えるなら絶対に海外製にしたい!
とは思いますが、今の時点でストレスがあることや実際には子どもたちが家で食事するうちのほうが活躍することは間違いないな、ということから時期も迷ってしまいます。
そして、海外製食洗機はミーレだけではない!
BOSCHなども良い評判を耳にしますし、AEGやガゲナウなどのメーカーも気になります。
一般的にはミーレは価格が高いともいわれるため、他のメーカーについても調べながら、もう少し検討してみようと思います。
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